劇団綺畸

劇団綺畸

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劇団綺畸とは

劇団綺畸は、劇作家・演出家の如月小春が1976年に結成した学生劇団です。東京大学と東京女子大学の学生を中心に、公演に向け活動しています。舞台で演技をする役者と、音や光、舞台装置や衣裳、映像など、様々な角度から舞台を演出し魅力を引き出すスタッフで構成されており、どちらも欠かせない重要な役割を担っています。公演は、夏冬に行われる2回の本公演、夏合宿での小規模な公演、新人のみで行う新人公演など盛りだくさんです。1つの劇を最高の仲間たちとともに全力で作り上げる喜びは、何にも代えがたい魅力です。現在40名(役者12名, 東大生:東女生=15:25)の劇団員が所属しており、新歓期に入団し3年目の夏公演で引退します。劇団綺畸への所属に年齢・大学は問いません。
劇団綺畸は、演劇初心者の方も歓迎しています。役者、スタッフどちらにも、初心者の方が自信を持って公演に臨めるようになるシステムが綺畸にはあります。現在の劇団員も、ほとんどが未経験からのスタートです。他のサークル・バイトなどとの掛け持ちもOKです。ただし、役者の場合、公演1ヶ月前からは週6日の練習があるため、掛け持ちできるサークル・バイトは限られる可能性があります。とはいえ、綺畸以外のサークルに在籍している劇団員や、アルバイトと両立している劇団員は数多くいます。

公演に向けて

公演では、舞台や客席をはじめとして、衣裳、宣伝チラシなど、あらゆるものを一から準備します。そのための費用は劇団員で出し合います。また、出資したお金は公演後に公演収入からいくらか返金され、返金額はお客様を呼ぶほど多くなります!演劇はお客様に観ていただいて完成するものとも言えます。そのため、劇団員は公演間近になると宣伝に奔走します。綺畸は東大の劇団の中でもトップクラスの観客動員数を誇っています。
綺畸が1つの公演を行うまでの流れは以下の通りです。
公演の約1~2ヶ月前に、作・演出(以下作演)を決めるために作演会議(通称、作会)が開かれます。綺畸には固定の脚本家・演出家はおらず、この作会で作演を志望する人が案を出し合ってコンペを行い、最終的に投票で最も支持された人が次公演の作演になります。作演が決定したら、スタッフと作演は順次会議を行い、それぞれのセクションの準備を進めます。公演1ヶ月前には「禁禁」と呼ばれる決起会が行われます。「禁禁」は禁酒・禁煙・禁外泊を意味し、禁禁の翌日から公演が終了するまで劇団員はお酒と煙草と外泊を断って体調管理を行い、公演に備えます。また、その日から役者は公演用の台本を用いた稽古を開始します。禁禁から公演までは、毎週土曜日に劇団員が集まり、スタッフが見つめる前で役者がそれまでに完成したシーンを見せる「通し」と、スタッフ・作演・舞台監督がセクションごとに話し合う「スタ会」が行われます。公演1週間前になると、劇団員全員が駒場小空間で一体となって公演の準備をはじめ、やがて本番を迎えます。綺畸の本公演ではたいていの場合、4日かけて6ステージ、または3日かけて5ステージ行います。本番が終わり、公演の後片付けが終わると、1週間後に反省会が行われ、次公演に向けた改善点を洗い出します。反省会が終わったらその日のうちに打ち上げが行われ、1つの公演に伴うすべての行事が終了します。

セクション

セクションとは、劇団員が所属する部署のようなもので、役者、舞台、音響、照明、衣裳、宣伝美術、制作、小道具、web、映像、作・演出に分かれています。それぞれのセクションが専門的な技術を有していて、協力しあうことで1つの劇を作り上げます。原則的には同じセクションで続けていくことになりますが、映像、web、小道具の3セクションについては、兼任が可能です。今年入団した方には早速6月頭の夏公演に参加してもらいます。様々なセクションを手伝いながら経験を積み、夏公演の後の夏合宿から、どのセクションをやりたいか決めてもらった上で、本格的に綺畸の一員として動いてもらうことになります。 以下、各セクションについて詳しく説明します。

役者

舞台上で演技をするセクションです。台本をもとに役を深めていくこともあれば、自分の身体を用いた抽象的表現をすることもあり、様々なことに挑戦できます。 また、演技をする上で必要となる基礎能力を磨くべく週3回(火・木17:40~21:00 土14:00~21:00)の練習を行っています。 役者の定期稽古がある東大の劇団は綺畸だけで、どんな方でも上達して、レベルの高い演技ができるようになります。練習場所は東京女子大学または東京大学駒場キャンパスです。公演1ヶ月前からは、週6日の練習に切り替わります。稽古は楽しく、そして真剣に行われ、良い緊張感に包まれています。ぜひ、公開稽古にいらしてください!

舞台

舞台のセットを作るセクションです。綺畸が公演を打つ駒場小空間は作り付けの舞台や客席がないとても広い空間なので、様々なデザインを考え作り上げることができます。舞台と客席の位置が違うだけで劇が全く違って見えることもあります。舞台セクションは、劇の世界観を演出するうえで大きな役割を果たします。また、他劇団やOBOGとのつながりが深いのも舞台セクションの特徴です。

音響

劇中のBGMや効果音など、音による演出を行うセクションです。作品に合った曲を選んだり、音の反響を考えてスピーカーを配置したりするのが仕事です。音による演出は効果的に使うとお客様に大きな感動を与えることが出来ます。本番は2階で音響操作(オペレーション)を行うので、ステージを上から見届けられるという特権を持っています。

照明

舞台・客席を照らす明かりなど、劇場内全ての照明に関わるセクションです。それぞれのシーンに相応しい明かりを考え、舞台の場面や空気を変える役割があります。光という、視覚に働きかける演出は、劇の世界観を作り上げるうえでとても重要なものです。駒場小空間の3階で灯体を吊り、公演中は音響と同様にオペレーションを行うなど、専門性の高いセクションです。現在の照明スタッフは未経験から始めた人がほとんどで、未経験でも専門的な知識が身に付けられます。新しいことに挑戦してみたい方におすすめです。

衣裳

役者が着る衣裳を作ったり買ったりして用意するセクションで、化粧や髪型のセットを考えるのも、衣裳セクションの仕事の一つです。役者を丸ごと好きなようにコーディネートできるので、ファッションやデザイン、裁縫が好きな方におすすめです。 また、本番前や本番中、役者と接する機会が最も多いセクションで、ステージに立つ直前の役者を見届けることができます。衣裳が舞台とマッチする瞬間が最高です。

宣伝美術

公演の宣伝のため、立て看板やチラシ、チケット、パンフレットなどを作成するセクションです。チラシや看板は公演を観に来ない方の目にも入るので、最も多くの人の目にとまる仕事です。また、立て看板の色付けや設置は劇団員みんなと協力して行うので、完成したときの喜びや達成感を共有できます。宣伝美術の仕事は劇の世界観を表現するという意味でも、観客動員数に大きく貢献するという意味でも非常に重要なものです。

制作

綺畸の看板として外部との接触を担うセクションです。誘客戦略を考えるなど広報活動に全面的に携わっており、学生演劇の枠を越えた他劇団とのネットワークを通じた誘客は各公演の動員数に大きな影響を及ぼします。さらに、劇場では最前線でお客様の対応に従事し、パンフレットの配布から開演までの客席整理など当日運営の全てを指揮監督します。公演中の劇場やお金の管理、発信する情報のチェックを担当するセクションでもある制作は、劇団全体を支えるバックボーンと言えます。

小道具

劇で使う小道具を集めたり、作ったりするサブセクションです。ものづくりや雑貨集めが好きな人におすすめです。サブセクションであるにも関わらず、舞台での重要度が高く、しばしば劇のモチーフとなるなど、劇の世界観を演出します。現小道具セクションメンバーは他セクションと兼ねており、様々なセクションと連携して仕事をしています。

映像

オープニング・エンディング・劇中に用いられる映像を作るサブセクションです。その他、稽古のビデオ撮影を行ったり、PVを作ったり、公演DVDを作成したりしています。現映像セクションメンバーは他セクションと兼ねています。

web

ホームページやTwitter、ブログなどを通じて綺畸を外部に発信するサブセクションです。ホームページは、自分たちでデザインを考えHTMLを用いて実際に作成します。先輩がHTMLの扱い方を指導するので、未経験の方も安心です。現webセクションメンバーは他セクションと兼ねています。

作・演出

脚本を書いて演出をする人のことです。綺畸では、劇団員自作の脚本を上演することがほとんどです。「禁禁」以降の稽古を仕切って役者に演技指導をしつつ、スタッフと連携をとって、自分のイメージに沿って公演を指揮する役割です。作・演出は毎公演会議で選ばれるため、固定のセクションではありません。

2023年度の活動

4月
新歓
5月
夏公演 始動
6月
夏公演『Scar-f』作・演出 足立遼花
7月
夏合宿公演 始動
8月
夏合宿公演
11月
冬公演 始動
12月
冬公演『細く、千切れず』作・演出 甲斐敬識
3月
新人公演『彗星に乗って彼方へ』作 朝比奈優里・演出 川口円楽

各公演の説明

夏公演

毎年6月に行われる外部向けの非常に大規模な公演です。新人の皆さんは、舞台や当日制作のお手伝いとして夏公演に携わり、「どのように演劇の公演が完成していくのか」を実際に目の当たりにし体験することになります。興味あるセクションが公演を通してどのような動きをするかも知ることができます。
夏公演夏公演

夏合宿公演

夏公演を経て、新人の皆さんは所属するセクションを最終決定することになります。8月に行われる夏合宿公演は、所属したセクションで劇作に取り組む事になる最初の公演です。班ごとに分かれて公演を打ち、セクションごとにどのような活動をして劇を完成させるかを学びます。内部向け公演としてOBOGの方が多く来られ、自分たちの取り組みに様々なアドバイスを頂けます。
夏合宿公演夏合宿公演

冬公演

12月に行われる外部向けの大規模な公演です。新人の皆さんも本格的に外部向けの公演の劇作に携わることになります。たくさんのお客様に劇を観ていただいて、公演が終わる頃には、一人前としての自信が身につきます。
冬公演冬公演

新人公演

3月に行われる外部向けの公演で、新人だけで座組を構成し劇作に取り組む公演です。1年間を通して身につけた技術を十分に生かし、本公演に比べれば小規模ですが、外部向けに2日間の公演を打ちます。新人公演が終わると新人は「旧人」として、また新しく入団してくる新入生を迎え入れるため新歓活動に移っていきます。